この作家さん、第8回「このミステリーがすごい!」大賞を「さよならドビュッシー」で受賞してデビューされています。
要介護探偵の事件簿 中山七里
「さよならドビュッシー」「おやすみラフマニノフ」と作曲家名が題名に入ったシリーズを立て続けに刊行。
余程のクラヲタかと思いきや、「岬洋介シリーズは当時、長男が音楽高校(現在は音楽大学)でピアノを専攻している為、そこからの情報をベースにして書いた作品のシリーズである。自身は「音楽の通信簿は常に「2」だった、ピアノはいまだに触ったことがない。見たことがある程度です」と語っており、音楽をテーマに選んだのも、実はジャンルとして作品が少なかったというだけの理由である。」(wikipediaより)との事だそうです。
本作の主人公は要介護老人。このキャラクターが独特で、縦横無尽に物語の中を駆け巡りながら、所々で作者の社会に対するメッセージを伝えています。
この辺りは前述の2作とは大きく異なる所。
しかし、エンターテーメントとして秀逸で、一気に読ませてくれます。
多少の無理は推理小説には付き物、まぁ、笑って読み飛ばして下さいませ。
連作短編集ですが、5章目の「要介護探偵最後の挨拶」の被害者はクラヲタ&オーヲタ、、、
トライオードの845SEまで実名登場!
笑いました。
ただねぇ、レコードを狂言回しに使うのは良いのですが、、、マニアはレコードスプレー使わないっちゅーの!!!この辺りは作者が馬脚を現している部分かも、、、
(これ以上はネタバレに成りますので、書けません)
もし本作を御読みに成ったら、時系列的には本作の後に当たる「さよならドビュッシー」も是非御読み下さい。
本作のラスト数行の真の意味がお判り頂けると想います。