「提督の戦艦」と云う邦題ではありますが、、、
ロシア帝国の軍人にして後の白軍の総司令官、アレクサンドル・コルチャークの生涯を描いた映画です。
諦観するように歴史の流れが描かれ、それに翻弄される一人の軍人の話です。
でもね、、、
提督の戦艦 2008年 アンドレイ・クラフチューク監督作品
先ず、時代ですね。
ロシア映画なのですが、白軍の総司令官アレクサンドル・コルチャークを描いた映画だけに、白軍中心の視点で描かれ革命軍は悪者、、、
ソビエト連邦は崩壊したんですね、、、
崩壊前には絶対作られる事の無かった映画だと思います。
前半は海戦中心で、非常にリアリティのある描写が繰り広げられます。
その後は、二月革命が起こり十月革命を経て、、、陸戦中心ですが、負け戦。
と、戦争歴史スペクタクルでも無いんですよね、、、
それ程、背景の詳しい描写は無く、ある程度歴史に詳しくないと欧州列強の立ち位置やチェコとの関係も判らないし、、、でも良いのです。
これ、ぶっちゃけ、恋愛映画です。
それも主人公(既婚)と部下の奥さんとの、、、
まぁこの辺りの恋愛観や周りへの対応は、日本人とロシア人の感覚差が感じられ面白いです。
でもねぇ、恋愛映画にする必要あったのかなぁ、、、
何だかなぁ、、、軽く触れる程度なら良いのですけれど、此処までメインに持って来られるとねぇ、、、
当時の状況の描写は非常に細部にまで丁寧に描かれていて、映像も美しい。
そう割り切って見ると歴史映画として楽しめます。
ただ、ストーリー展開が、惜しい、、、
もう少し上手く作ると良い歴史映画になったんだけれどなぁ、、、
映像美は見る物が有り、その描写は寒さすらも実感させる説得力がありますので、その部分は良い映画ですよ。