日本SF界の超御大、今年喜寿を迎えられた筒井康隆先生の新刊ですが、、、
まさかのラノベ(ライト・ノベル:表紙や挿絵にアニメ調のイラストを多用している若年層向けの小説)!
イラストには御大自ら希望され「いとうのいぢ」氏、、、いとうのいぢ知ってる喜寿の方って、、、多分そう沢山はいらっしゃらないかと、、、
(涼宮ハルヒシリーズのイラストを初めとして、ライトノベル界では知らない者は居無い、有名な絵師さんです。クマも画集は3冊程持っております)
帯に書かれた言葉は
「文学界の巨人・筒井康隆の最新作は本気のライトノベル! 筒井康隆×いとうのいぢ 文学史上の一大事件を読撃せよ。」
確かに、一大事件かも、、、
ビアンカ・オーバースタディ 筒井康隆
いや、まぁ、確かにラノベですよ、、、確かにね。
読み易いです。
サクサク、軽く読める。
でもねぇ、、、御大、毒多いですよこの小説。
断筆宣言事件でも知られた筒井康隆先生の書くラノベですので、止める者も居らず、目次を見ると、第一章 哀しみのスペルマ、第二章 喜びのスペルマ、第三章 怒りのスペルマ、第四章 愉しきスペルマ、第五章 戦闘のスペルマ ですから、、、
とは、章題が書かれてますが、エロ小説では御座いませんので念の為。
元々、ハチャハチャSFから始まり、ナンセンス、ブラックユーモア作品を経て、前衛文学に至った筒井康隆先生ですので、どの様に書かれてもクマは付いて参りますよ。
全作品持っておりますからね。
しかし、本気でラノベですからねぇ、、、
ネタバレする内容は記載致しませんが、確かにラノベです。
SF要素、萌え要素、スラップスティックありの、綺麗にハッチャケた王道のラノベです。
流石に文章も読みやすい。
しかし、後書きで自身がこの様に述べられています。
「この本にはふたつの読みかたがある。通常のラノベとして読むエンタメの読みかた、そして、メタラノベとして読む文学的読みかたである。」
メタラノベとして読むと、、、毒だらけ、、、
かつて、「虚人たち」「虚航船団」「夢の木坂分岐点」「残像に口紅を」で純文学界に喧嘩を売っていた姿を思い出すのはクマだけだろうか、、、
全く年齢を問わず、読む事の出来る作品だと思います。
筒井文学を御存知の方も、御存知で無い方も是非!!!
喜寿でこの作品が描ける、頭の柔らかさに本当に頭が下がります。
流石IQ 178!老化してもまだまだ!
これからも御元気で作品を紡いで頂きたいものです。
でも続編、書かれないかなぁ、、、