原作が有る物を映像化する時には様々な手法が取られます。
原作に似ても似つかない、題名のみかい!!!って言いたくなる事もあれば、この原作で良くこの深い映画を作ったなぁ、、、って驚く事もあり、、、本当に様々。
この映画は非常に原作を尊重して映像化した好例だと思います。
麒麟の翼 2012年 土井裕泰監督作品
2010年にTVで放送された「新参者」の続編として映画化されたこの作品ですが、同名の東野圭吾氏の小説が存在します。
極僅かな差違はありますが、ほぼ原作通りです。
ここまで原作を尊重してこの時間で(129分)映画化出来た事は驚きです。
キャストも悪くありません。特に中井貴一氏の演技は光ります。
阿部寛氏も結構独特の存在感出していますし。
この辺りも良い映画に成った一つの要因だと思います。
全体の印象は人情物です。ミステリーでは無いのかと言われると、、、原作の持っている問題点がそのままですので、、、ここは人情物としてみて頂いた方が、、、
小説だと筆の勢いで読まされてしまって、何と無く流れてしまう所が、映像化されると引っ掛かる場合も御座いますので、その辺りは、、、ねぇ。
親子の感情的な繋がりを描いた人情物としてみれば、原作も映画も極上です。
涙すら誘われる。
それに原作同様、東京の日本橋〜人形町界隈が非常に丁寧に描かれています。
この辺りの街はクマも個人的に好きなので、違和感の無い画像化は評価出来ました。
ただ、テレビスペシャルでも良かったんじゃ、、、って突っ込まれると、、、
確かに、、、でもこのキャスティング、テレビだと予算的にどうよ?とも思いますし。
この辺りは本当に難しい所ですね。
そう云った意味ではテレビ出身の監督だけに映像もテレビ的な部分、御座います。
ただそれも含めて作品としての纏まりはこれで良いと思います。
安心してみられる邦画として、御薦め致します。
で、珍しくネタばれ追記!
これ以降はネタバレです。読みたくない方は決して読まないで下さい!!!
この映画を観て、原作も全く同様なんですが、気に成った点を!
被害者の青柳武明は不明な所持品としてネカフェの会員券を残しています。
そちらの捜査はどうなったの???
会員券があれば、利用状況が判り何処に繋がっていたのかは判るはず。
(警察ならね)
そこでの書き込みや閲覧記録で直ぐに中学の時のプール事故に行き当たり、、、
そんなに足で稼ぐ昔風の刑事ドラマにしたかったのかしら、、、
ネカフェの会員券を映像化されて再認識した時に???と成ったネタでした。
画像データの入ってないデジカメがあれば、データを何処に保存したか飛ばしたのかって話に成るのが普通でしょ!!!
そうで無くても「麒麟の翼」「折り鶴」「日本橋」でググったら、あのHPに直ぐ当たるよね、、、