1979年に公開された本作品、その当時映画館に観に行った覚えが御座います。
当年、19歳、、、登場人物に近い年齢。
1964年の英国、ブルーカラーの若者達の青春群像を描いた映画ですが、流石にクスリは一般的では無かったですが、後は、、、まぁ、、、
で、久々に見て、、、まぁ、確かに若いってのはそう云う事かいなと、、、
今更、感覚的にシンクロし難い自分の老化を感じつつ、、、
さらば青春の光 1979年 フランク・ロダム監督作品
元々ドキュメント映画を撮っていた監督の作品だけあって、当時としてはカメラワークが斬新で、群衆シーンなどは今の目で見ても見事です。
非常に動きの捉え方が自然で、俳優達の周りの空気が感じられます。
元々は英国のロックバンド「ザ・フー」のアルバム、「四重人格」から端を発した映画で、劇中にもこのアルバムから10曲が使われています。
ただ、映画そのものはアルバムとは関係無く、行き場の無い、英国のブルーカラーの若者の迷走と暴走を内面から描いた映画です。
モッズ・ファッションに身を固めた彼らの日常はドラッグ、アルコール、セックスそして乱痴気騒ぎ、、、
国の違いや文化の違いもあって、同意感は持ち難い部分もあるものの、余程真面目な青少年期を過ごしていない限り、大なり小なり、、、
って、皆さんそんな事無いですか???
まぁ、そう云う様に昔を感じる方なら多少はシンクロ可能かも、、、
どちらかと言うとファッション的な側面で取り上げられる事も多いこの映画、主人公達はモッズ・ファッションに身を固め、その文化が非常に判り易く描かれているのも確かだと思います。
そちらのファッション的感覚が御好きな方だと、ど真ん中に受ける映画だと思います。
当時でもスクリーンに同時に映っている、英国紳士のスタイルにシンクロしていたクマには、ファッション的側面は余り受けませんでしたが、、、
でも、映画全体を通して感じられる、当時の英国の下層階級の閉塞感の表現は、世相を切り取ったドキュメント映画としても見事だと思います。
多分、監督さんそれが撮りたかったのでは無いかと。
それと、主人公が壊れていく様の描写も見事です。内面心理の描写が自然な形で判り易く提示されています。
若さ故の閉塞感と根拠の無い自信、、、誰にでも在った物かと、、、
久々に見て、スクリーンの中の若者の感覚を遠い目で客観視しか出来ない自分を感じ、「ああ、歳取ったなぁ、、、」と思いました、正直。
もし、昔御覧に成った事のあるのでしたら、久々に見てみて下さい。
無茶の出来なくなった自分を感じると思いますので。
本当は、若い方に見て頂きたい映画ですね。