一般的に続編、続々編が作られた場合は、「一作目が一番面白かったね」と言われる事が多く、その辺り、映画にしても小説にしても、作品を作る難しさを感じます。
二作目は一作目より少し上の出来に成っていないと同じ評価は受けられないようですから。
で、本作、好きなシリーズなのでそれ程期待せずに見たのですが、、、
上手く纏まっていて存外に楽しめました。
構成の上手さが光ってますね。
メン・イン・ブラック3 2012年 バリー・ソネンフェルド監督作品
切れが良くて、ハイテンポで話が進むのはシリーズ共通で、その辺りは監督の替わらない良さが出ているかと。
ハリウッド映画らしい大掛かりなFSX満載のこの映画ですが、小物の作りまで細やかに気が配られており、その辺りにも米国映画の底力の様なものを感じさせられます。
(小物の扱いが一番ぞんざいなのは邦画の様な気がするのはクマだけ?)
娯楽映画として全く飽きさせずに最後まで見せて、ああ面白かったなぁって客に思わせる、その本質が全うされている作品化と。
これって、結構難しいです。
余りにややこしいストーリーや下手に伏線張りまくると客は???に成って白けるし。
アクションだけだと短調で飽きるし。感傷的描写ばかりだと胸当たりしてくるし、、、
色々な要素を上手く絡めつつ、適度に緩急を付けて描く演出と魅力的な芯のあるストーリーが無いと面白い映画に成りません。
前々作、前作のファンであるならば、全く同じ映像世界を楽しむ事が出来る事を保証します。
変わらず楽しい。
大体、コンビものというのは「てなもんや三度笠」の昔から、合う訳の無い性格とペースの異なる2人が色々なやり取りを経て一緒にやっていくのを観るのが楽しい訳で、この事が二作目、三作目を面白く無いものにする罠に成ります。
だって、次回作は既にコンビとしてパートナーシップが成立してからの話に成りますもの、普通。
その辺り、このシリーズ、2人の関係を常に初めから始める新鮮なものに成る様に状況を作るのが上手いと思います。在り来たりの喧嘩して仲直りパターンを踏襲せずに。
まぁ、SFだから可能なのですが。
余り何も考えずに「面白かったね」と見終えるには最適の映画だと思います。
静かに過ごしたい時には向かないかも知れませんが、賑やかな映画を楽しみたい気分の時には多きにお勧めです。
人情物っぽい部分もあって、結構「ああ、そうだったんだ」と今までの作品の人間関係が納得出来る部分もあるし。
このシリーズが好きな方は必見かと。