昭和の時代でしたら、テレビアニメの劇場版を作る場合は、テレビの総集編が殆どでした。
続編を作ったとしても、若干の説明に時間は割かれていましたし、キャラの背景や人間関係が説明的に挿入されているのが常でした。
確かに映画が初見の方には判り易いと思います。が、それでも初見の方は判った様な判らなかった様な説明でしょうし、シリーズの追っかけにとっては蛇足でしか無い部分です。
で、制作者側が観客をファン限定で一見さん御断りに割り切ればどうなるか、、、
いや、ファンにとってはスッキリして良いですね、これ。
解説も説明も全く抜き。背景知っていて当然というヲタ向けに作ると、結構な情報量で上映時間90分。
悪く無い!
とある魔術の禁書目録 -エンデュミオンの奇蹟- 2013年 錦織博監督作品
上記の通り、「とある魔術の禁書目録」のラノベ若しくはアニメを観てないと、全くキャラクターが判りませんし舞台背景、力関係等も全く判りませんので(説明的台詞も無し!)意味不明の作品です。
商業的にファンに的を絞って上映するのは正しい割り切りの様な気もします。
一般的に知られていない様なヲタアニメでしたら元々ファン以外は余り観に行きませんでしょうし、古のヤマトやガンダムの様に映画でファンを掘り起こすのも昔でしたら考える必要があったかも知れませんが、完全新作オリジナルストーリーとなると、、、ファンの不興を買いかねませんし、、、
「時系列的に出せるキャラクターは可能な限り出そう」という心意気で制作された「オールスター総出演のお祭りイベント的作品」だそうですし、上映された劇場は限られていたにも拘わらず、3カ月以上のロングラン上映・観客動員35万人だそうですので、これらのファンの殆どがBlu-RayなりDVDを購入する事を考えれば、、、完全な成功作かと。
話そのものはそこそこ上手く纏まっていましたが、所々に「マクロス」や「パトレイバー」「攻殻」に対するオマージュ的演出が見受けられ、知ってるヲタは重ねて楽しめました。
しかし、作画も綺麗でサクサク動きますね、最近のアニメ。
取り分け戦闘シーンの演出は隔日の感が御座います。
目が付いていかない事すら在りますが、ディテールが観たければコマ送りって手も在るので、スピード感重視で進める今時の演出の方が好きです。
大見得切って、必殺技を叫ぶなんざぁ流行りませんし、、、
(まぁ、偶には「グレンラガン」の様に様式美を楽しませてくれる作品も御座いますが)
このシリーズそのもののストーリーは大河ドラマ的な長さで、更にキャラクターの多さ、ストーリーの複雑な絡みもあり、非常に面白いのですが、ラノベで22巻、アニメの本編で1000分以上、スピンアウトの「とある科学の超電磁砲」もほぼ同様の長さですので、簡単には纏めようも御座いませんし、それをしなかった事は矢張り映画版にとって良い方向に働いたと思います。
そうそう、映画版は時系列的には「とある魔術の禁書目録2」の第7話と第8話の間に位置します。
万が一観た事が無く、興味を持たれましたら、「とある魔術の禁書目録」のアニメをレンタルで結構ですので順を追って御覧下さいませ。ラノベの方は若干読みづらい部分も御座いますので。
(原作ファンの方、申し訳御座いませんm(__)m)
ストーリーは変化に富み、結構面白く楽しめます。
より判り易い話の「とある科学の超電磁砲」(スピンアウト作品で、「とある魔術の禁書目録」に出て来る御坂美琴(通り名は、常盤台のレールガン)が主人公で描かれています)から御覧に成っても良いかも知れません。魔術サイドのキャラとストーリーが出て来ない分、一寸はシンプルです。
と、書きながらも、、、このブログの読者で本作品を見た事のある方って皆無だろうなぁ、、、
まぁ、備忘録ですので、、、ヲタしか観ない映画の紹介、御容赦下さいませ。
(面白いんだけれどなぁ、、、って、未だ言うか、、、)