小路幸也さん、東京バンドワゴンシリーズの作者さんです。
基本この方の小説、善人しか出てこない。
勿論、生きてる以上皆色々あるのですが、性根が善人なんです。
そんな作者さんの田舎の商店街を舞台にした小説、、、
当然、ゆるゆるの人情話+αなんですが、そこが良いんですよね。
和みますよ(^o^)
花咲小路四丁目の聖人 小路幸也
文庫、裏表紙より
「舞台は花咲小路商店街。英語塾を営む亜弥の父は日本に帰化したイギリス人で、既に隠居の身だが、その実、若い頃は美術品を中心とする泥棒として名を馳せていた人物。商店街で起こる事件をその手腕で解決していく。楽しくて心温まるエンターテイメント。」
色々細かなエピソードの出てくる連作短編集かな、と、勝手に思って読み進めると長編でした。
ただ、全体に非常に軽い作りなので簡単に読み進みます。
そこも含めて、この感覚が好き嫌いの分かれるところだと思います。
ガチガチの本格ミステリー好きが読めば、、、金返せ!かも、、、
でも、個人的にこの作品の空気感、好きです。
絵空事と判っていても楽しめる、緩い感じ。
多分、書き手の感性は凄く柔らかく、人を追い込んだり白黒をつける感覚無く、何となく許してしまう、微笑みながら、、、なんでしょうね。
東京から1時間程の街の寂れつつある商店街が舞台です。
そこでの日常に少しずつバイアスが掛かる様に変化が生じ、それに主人公達が絡んでいく、まぁ、良くある様なお話で、細かな設定等、突っ込めば幾らでも突っ込める程緩いのですが(きっちり構築されたのがお好きな方は、、、読めないかも、、、)、前述の様にそれを要求する様な空気ではないので、、、
絵空事と云えば絵空事。
でも、何となく心がほっこりするんですよね、この作者さんの小説。
緩い空気が心地よくて。
昔(若い頃)はこう云う緩めの小説は敬遠していたのですが、最近は抵抗なく読めます。
休日のまったりした時に、そのままの気分で読めるお話です。