書庫を片付けた時にDVDやBlu-Rayを並べる事が出来たので、昨日の夜は急遽上映会。
何を観るかで揉めましたが、夫婦二人とも好きな作品なので、久々に観るかという事に成り、、、
天空の城ラピュタ 1986年 宮崎駿監督作品
もう、30年近く昔の作品なんですね。
当然、映画館に観に行きましたが。
ストーリーを含め映画としても、アニメとしても名作だと思います。
特に「原画頭」としてクレジットされる、金田伊功さんのあの、「金田パース」と呼ばれる独特の作画が作品を活き活きとしたものにしています。
アニメで無いと出来無い映像表現をしてこそアニメである意味があると、個人的には信じていますので。
確かに現在のアニメは作画も安定しており、CGも上手く使われていますので、正確なパースで見事に複雑なメカが動き(絶対昔だったら、今の描線数のメカ、動かせません)、服の生地の質感すら表現します。光点を正確に捉える事で影すらも自然に表現されます。
でも、それならばアニメである必然はあるのか、、、萌え要素を抜けば実写でも問題は無いのでは、、、
そんな事をこの作品を観ながらふと思いました。
東映動画時代の森康二さん直系の宮崎駿さんのキャラクターは、過剰なまでのデフォルメにも、不自然なまで遠近感を強調したパースにも何の問題も無く耐え、これぞアニメと云わんばかりに豊かな表情で心を伝えてきます、シンプルな描線なのに。
手書きのメカも作画崩壊する事無く、物理学法則を馬鹿にした様に、でも有り得る様な動きで画面狭しと動きます。
本当に素晴らしい。
逆に、今、この様なアニメらしい作品を新作で観る事の方が少ない様な気もします。
(個人的には、グレンラガンが彷彿とさせて呉れた作品ではありますが、、、この事は別稿で)
しかし、時代とは言え、この作品、歴代ジブリ作品の中で封切り時の興行成績最低の作品です。
勿論、1984年のナウシカ、1986年のラピュタ、1988年のトトロ、何れの作品も東映マンガ祭りを下回る興行成績だったのですが、、、(事実です)
それが、テレビで何度放送されても20%近い視聴率を取り、「バルス!」に合わせてサーバーダウンする程の書き込みやツイッターが飛び交う様になるとは、、、
感慨深いものが在ります。
又、本作と基本企画を同じとする兄弟作品も存在します。
元々は宮崎駿監督が「未来少年コナン2」としてNHKに提出した企画が母体ですから。
そして、NHKがその企画でガイナックスの外注したのが、「不思議の海のナディア」です。
なので、驚く程骨格が似ています此の二作品。
監督やスタッフの傾向、時代が異なりますので風合いは異なるのですが。
そんな事や色々と昔の事を思いつつ、何度観たか判らない作品でしたが、心から面白かったです。