この所嵌まってしまってこの作家さんの作品ばかり読んでいますが、このシリーズはとても面白いです。
特に主人公のキャラが特筆もの!
個人的にはこの主人公、とても好きです。
「BOOK」データベースより
「竜崎伸也は、警察官僚である。現在は警察庁長官官房でマスコミ対策を担っている。その朴念仁ぶりに、周囲は〈変人〉という称号を与えた。だが彼はこう考えていた。エリートは、国家を守るため、身を捧げるべきだ。私はそれに従って生きているにすぎない、と。組織を揺るがす連続殺人事件に、竜崎は真正面から対決してゆく。警察小説の歴史を変えた、吉川英治文学新人賞受賞作。」
「BOOK」データベースより
「長男の不祥事により所轄へ左遷された竜崎伸也警視長は、着任早々、立てこもり事件に直面する。容疑者は拳銃を所持。事態の打開策をめぐり、現場に派遣されたSITとSATが対立する。異例ながら、彼は自ら指揮を執った。そして、この事案は解決したはずだったが――。警視庁第二方面大森署署長・竜崎の新たな闘いが始まる。山本周五郎賞・日本推理作家協会賞に輝く、本格警察小説。」
「BOOK」データベースより
「アメリカ大統領の訪日が決定。大森署署長・竜崎伸也警視長は、羽田空港を含む第二方面警備本部本部長に抜擢された。やがて日本人がテロを企図しているという情報が入り、その双肩にさらなる重責がのしかかる。米シークレットサービスとの摩擦。そして、臨時に補佐を務める美しい女性キャリア・畠山美奈子へ抱いてしまった狂おしい恋心。竜崎は、この難局をいかにして乗り切るのか?―。」
「BOOK」データベースより
「警視庁刑事部長を務めるキャリア、伊丹俊太郎。彼が壁にぶつかったとき頼りにするのは、幼なじみで同期の竜崎伸也だ。原理原則を貫く男が愛想なく告げる一言が、いつも伊丹を救ってくれる。ある日、誤認逮捕が起きたという報に接した伊丹は、困難な状況を打開するため、大森署署長の竜崎に意見を求める(「冤罪」)。『隠蔽捜査』シリーズをさらに深く味わえる、スピン・オフ短篇集。」
「BOOK」データベースより
「大森署署長・竜崎伸也の身辺は、にわかに慌しくなった。外務省職員の他殺体が近隣署管内で見つかり、担当区域では悪質なひき逃げ事件が発生したのだ。さらには海外で娘の恋人の安否が気遣われる航空事故が起き、覚醒剤捜査をめぐって、厚労省の麻薬取締官が怒鳴り込んでくる。次々と襲いかかる難題と試練―闘う警察官僚竜崎は持ち前の頭脳と決断力を武器に、敢然と立ち向かう。」
「BOOK」データベースより
「大森署管内で大物国会議員が失踪した。発見された運転手の遺体、そして謎の脅迫電話。舞台は横須賀へ移り、警視庁と反目する神奈川県警との合同捜査を署長・竜崎伸也が指揮することに。迷走する捜査の行方は―。白熱度沸点の最新長編!」
今のところ刊行されているのは6冊です。
基本的に主人公は竜崎伸也警視長。
この主人公のキャラがとても特徴的です。
原理原則に基づき、極めて論理的に考え国(国民)に対して良心に恥じない正しい事を断行する警察官。
と、云う事は上が隠蔽する方向に動いても撥ね付け、、、義理人情で泣き付かれても曲げず、、、誰が言う事でも正しいと思う事は聞き入れ、、、全ては正しく原理原則通りの朴念仁、、、
ある意味、スーパーマンです。
東大卒のキャリア官僚にして頭脳明晰、判断迅速。私利私欲は全く無く仕事は完璧。
その主人公が、理性と論理で難事件を解決していきます。
実際、このシリーズで起こりうる事件は現実的な事件で、密室も無ければ奇妙なトリックも無いのですが、社会的な人間関係や組織関係が絡みに絡むのでとてもややこしい。それを竹を割った様に論理的に片付けていく主人公の姿には爽快感すら覚えます。
ただ、自宅で息子が遊びで麻薬をしているのを見付け、黙っているなど論外で出世も左遷も省みず息子を自首させる位の変人ですので、仕事は兎も角プライベートで付き合うのは、、、
それを取り巻く登場人物も特徴的な人物が多く、これが又相互に関連しながら違うストーリーでも登場するので、更に物語を活き活きとしたものとしています。
取り分け、副主人公格の警視庁刑事部長、警視長の伊丹俊太郎は主人公の小学校の同級生でもあり、殆どのストーリーに登場し、「初陣 3.5」ではサイドストーリーとして彼の目線で物語が進行しています。
しかし、同期で同格(警視長同士)ですが、職位では「果断 隠蔽捜査2」以降、刑事部長と所轄の署長ですので大違いの筈なんですが、主人公はお構いなし、、、
方面本部管理官に至っては職位は上なのに階級は警視なので2階級も下、、、この捻れ現象がストーリーを更に面白いものとしています。
正しい事を正しいと、胸を張って言い切る事が現実社会では難しいだけに、小説世界であってもここまで貫き通す主人公はなかなか希有な存在です。
それを現実的に描ききる筆が評価され、「隠蔽捜査」でで第27回吉川英治文学新人賞を、「果断 隠蔽捜査2」で第21回山本周五郎賞と第61回日本推理作家協会賞長編部門を受賞しています。
この所、この作家さんの本は読み連ねてきましたが、本シリーズは一押しです。