原作は既読。
なので映画も観てみたのですが、伝わってくる空気感は同じ様な印象でした。
映画は映画として成立してるかな、、、
東京公園 2012年 青山真治監督作品
キャラクターの印象が違うのと、若干恋愛映画に引っ張ったためか、原作が好きだと好き嫌いの分かれる作品かも知れません。
ただ、人間関係の曖昧な柔らかさやあからさまにしようとしない姿勢は同じ様な空気感ですし、公園の絵の美しさは、丹念に書かれた原作の感覚通りで、個人的にはそう嫌な映像化作品では無かったです。
原作同様、この曖昧さを残した人間関係は蕁麻疹が出そうに成る方がいてもおかしくは無いとは思うのですが、そんなにファンタジーでは無く、現実にあってもおかしくないと個人的には思います。
でも、映画的分かり易さを狙ったのか、恋愛映画として仕上がってますので(それも女性側の視点に重きを置いた)、原作の持つはっきりしない青春時代の主人公の感覚の描写は多少損なわれています。
この辺りのバランスは女性客を狙った商業映画としては仕方無いのでしょうね。
とは言うものの、単独の作品として観直すと、役者さんの配役も上手く雰囲気を作れる方ばかりで、作品にとても上手くバランスしていると思います。
個人的には小西真奈美さんも榮倉奈々さんも好きな女優さんですので、観てるだけで楽しかった部分は否定出来ませんが、、、
原作未読で映画を観て気に入って原作を読んで、あれ?!って事もありますし、その逆も多々ありますが、描写や登場人物の印象が違うのに、雰囲気や空気感が原作と似ている映画って、珍しい様な気もするのですが、、、
確かに小路幸也さんの小説、独特の感じが結構映像化し難い要素なのかも知れません。
具体的に書かれている様で行間を読ませる様な所のある筆ですから。
でもまぁ、このふわっとした感じが楽しめるかどうかは、、、好みかなぁ、、、
(はっきりした表現やテーマ、メッセージ性を求める方が御覧に成ったら、、、多分金返せって話に成るだろうなぁ、、、)
個人的には楽しめました。