今日(1月14日)は朝から雪がちらついてましたが、、、
スキー場に通うためのクルマですのでこの程度の雪は何とも無いのですが、此の地域、ノーマルタイヤの方がちらりほらりといらっしゃるので、、、
とは、言っても劇場のチケットの予約も髪の毛を切りに行く予約も入っていましたので津へ。
幸い、東名阪道も伊勢自動車道路も通行規制無しの上、普段より空いてました。
早めに着いたのでこんな感じ
どんどん人が増え、観た映画は満席に近い状態でした。
ポスター展示は無い様子、、、
この世界の片隅に 2016年 片渕須直監督作品
そして、それを丁寧に物語の本質を変質させる事無く映画化した本作も名作でした。
第90回キネマ旬報ベスト・テンの第1位と監督賞の受賞は伊達では御座いませんでした。
原作の絵の印象を大切に、パステル画の様に作画された本作品は、現在のアニメの手法からは古さを感じさせる部分があるかも知れませんが、物語の時代背景が戦前、戦中そして戦後である事を考えれば、そして原作の印象を考えればとても正しい作画だと思います。
物語も正しく原作をなぞり、淡々と市井の生活を描きます、一人の女性を主人公として。
ただそれが、先の大戦直前から直後、それも舞台が呉、広島であるだけで、、、
時代考証は極めて正確であり、建物の描写から衣類の描写まで細部に到ってあの時代が再現されています。
人々の考え方や身の処し方まで。
下手な実写映画を遙かに上回るリアルが伝わって来ます。
ただ、パステル画の様な作画故、えげつ無さは若干緩和されますが。
それでも、大和を始めとする大日本帝国海軍の艦船の描写、スーパーフォートレス等のアメリカ陸軍航空軍機の描写は正確であり、その正確さの上に爆裂音等が加わるので、空襲の最中に掘り込まれた様な錯覚さえ覚える箇所もあり、演出の秀逸さを心底感じました。
淡々とリアルを伝える、それもこの映画の一つの側面だと思います。
そして、主人公の女性の心情、周りの人々の心情もしっかりと伝わってきます。
当時の日本人の常として感情を露わにする場面は余りありませんが。
それでも伝わって来ます。
此の人間描写が細やかな事もこの映画の優れた側面だと思います。
原作の心を余す所無く伝えているかと。
そして、リトルボーイ投下。
終戦の玉音放送、、、物語の終末部の最大の見せ場。
主人公の慟哭に涙せずには居られませんでした、、、
クラウドファンディングによってスタッフの確保とパイロットフィルム制作の資金を得る事から始まったこの映画、東京テアトルの配給で2016年11月12日に全国63スクリーンと云う小規模の封切りにも拘わらず、現在200スクリーンを超え、興行成績も10億円を越しています。
それだけの説得力がある映画だと思います。
是非映画館に足を運んで御覧下さい。
(Blu-Ray等ですと余程大音量再生が許される再生環境で無いと伝わるものが足り無い様な気が致しますので、、、)
尚、興行成績が10億円を越しましたので、150分を越す、より原作に近い完全版が制作されるかも知れません。
それも楽しみです。