淡々とした自然な流れの中、色々な場面で今の印度の中流家庭の生活が垣間見られます。
それだけでもこの映画に触れた価値があった様に思います。
そして、控えめな心の機微を細やかに描いた恋愛模様。
いや、良い映画でした。
めぐり逢わせのお弁当 2013年 リテーシュ・バトラ監督作品
「ダッバーワーラー(ヒンディー語・マラーティー語:डब्बावाला、英語:dabbawala)とは、インド西部の大都市ムンバイにおいて、家庭で調理した弁当を個別に集め、オフィスワーカーの勤務先へ届ける弁当配達ビジネスに携わる人々のことである。」 Wikipediaより。
完全に人的ネットワークにより毎日175,000個以上の弁当箱が利用客の自宅とオフィスの間を行き来しているそうです。
そして、誤配送は600万個に一つ。
主人公の若い主婦イラは家庭を顧みない夫の心を取り戻す為、一所懸命御弁当を作ります。
それが誤配送され、早期退職を控えたサージャンの元に。
誤配送に気付いたサージャンがメモを忍ばせた事から始まる文通。
ゆっくりと物語が動き出します。
台詞や動きの間が本当に大切にされ、丁寧に作られた映画です。
アクションも無く、盛り上がった恋愛シーンも無く、淡々と、本当に淡々と描かれる日常。
少しずつ変化して行く心情と人間関係が細やかに描かれています。
勿論、唐突に唄って踊り出す事も御座いません。
市井の当たり前の生活を描いていますので華美な色彩も無く、昔の欧州映画や日本映画の様な緩やかな時の流れと間が楽しめます。
正直、観るまではこんなにじんわりくる映画だとは思ってもみませんでした。
(何時踊り出すんだろうなんて不謹慎な事さえ思ってました、、、)
様々な映画賞を受賞しているのも頷けます。
カンヌ国際映画祭批評家週間(フランス)観客賞、ザグレブ映画祭(クロアチア)ゴールデン・プラム賞、アジア太平洋スクリーン・アワード(オーストラリア)脚本賞/審査員グランプリ、アジア太平洋映画祭(マカオ)脚本賞/助演男優賞/特別貢献賞〈イルファーン・カーン〉、ドバイ国際映画祭(アラブ首長国連邦)主演男優賞/特別賞〈脚本に対して〉、レイキャビク国際映画祭(アイスランド)アイスランド教会賞、アマゾナス映画祭(ブラジル)作品賞、エクストラバガン・インディア映画祭(フランス)作品賞、サン=ジャン=ド=リュズ若手監督映画祭(フランス)作品賞、フィルムフェア賞(インド)新人監督賞/批評家作品賞/助演男優賞、ゲント映画祭(ベルギー)観客賞、アプサラ映画製作者組合賞(インド)新人監督賞/助演男優賞/年間スター・ヴァーディクト賞〈イルファーン・カーン〉、等々
欧州での評価が高く、米国の賞は無し、、、
その様な作風の映画です。
ラストの描写も日本人の感覚ならば余韻の残る良い終わり方だと感じると思うのですが、米国映画だったらこれは無いかと。
観終わった後に心が和らぐ様な、そんな素敵な映画です。
低予算でも素敵な映画は作れるのですね。
1月3日は正月らしく親族の集まりでした。
丁度3日から営業されていたのでこちらに
楼蘭(食べログは
こちら)
前菜5種盛り
光の具合で綺麗に撮れた写真が、、、済みません、、、
鮟肝を中華風に仕上げたものが印象的でした。
フカヒレの姿煮、オイスターソース
伊勢海老のカシューナッツ揚げ、クリームチリソース
バランスの良いソースで美味しかったです。
豚肉と茸の中国黒酢煮込み
上質の黒酢で美味しかったです。
牛ロースと真菰筍の山椒ソース仕立て
真菰の根本の白い部分を芯に牛肉を巻いた御料理で、食感が凄く楽しいです。
小籠包
上品な味で皮もフワモチで美味しかったです。
麻婆豆腐
楼蘭麻婆豆腐と違い、普通でした。
杏仁豆腐
ゼラチン固めでは無いプルプルの杏仁豆腐。
上品な甘さで杏仁豆腐好きには堪りません。
とても美味しいです。
胡麻団子
熱々でプチプチの胡麻に包まれた柔らかいお餅、その中に黒砂糖の甘さ控えめの餡。
非常に良いバランスでした。
中華料理は皆で食べると大皿を取り分けに成りますので、周りの方が小食だと、、、
御馳走様でした!!!
今年の正月はスキーも行かず、引き籠もっておりますが、ふと読まずにおいてあった事を思いだし、読み始めたのがこちら。
火の鳥 手塚治虫
今更、語るのも憚れる、手塚治虫先生のライフワークにして代表作の一つ。
「復刻ドットコム」から雑誌掲載時のまま、現存する全ての原稿を復刻した限定本です。
確か3年程前にボーナスで買いました。
で、未完であった学童社の「漫画少年」に掲載された「黎明編」、「少女クラブ」に掲載された「エジプト編」・「ギリシャ編」・「ローマ編」のみならず、中断された「COM版」の「望郷編」「乱世編」もこのシリーズには掲載されています。更に「休憩 INTERMISSION」も。
これは本当に嬉しかったです。
「マンガ少年」が1976年に刊行された時に刊行された単行本で読み始めましたので、上記の話は読んだ事が御座いませんでしたから。
その後、COM版の単行本を2種類手に入れ(これも1980年位迄に入手致しましたので、比較的簡単に古本屋さんで安価に手に入れてます)、角川版を読んで今に到ってました。
手塚先生が出版によって手直しされたり台詞を変えられたりするのは有名な話で、それもあってこの復刻ドットコム版は購入しました。
ただ、台詞に関しては雑誌掲載時と微妙に違います。
これは、時代の変化で仕方が無い事なんですが、、、
例えば
右が1972年2月に刊行された単行本。左が復刻ドットコム版。
右ページ4コマ目の群衆の台詞が異なります。
この様な部分は散見されますが、それ以外はほぼ掲載時通りの絵です。
中学、高校時代の多感な時に感じた感覚は味わえないものの、今、改めて読んでも面白かったです。
電子書籍でも読めますので、未読の方は是非。
三が日を殆ど引き籠もってのんびり過ごしましたので、結構リフレッシュ出来ました。
で、元旦と2日、
年末に買った肉を2日に分けて食べていました。
先ず、買ったヒレ肉1kg
切り分けて
向かって左側、厚さ9cmでステーキに。
右側の2片はビフカツにして2日に食べました。
で、調理法は
この時の方法とほぼ同じ。
室温に戻した肉をキッチンペーパーに挟んでジップロックに入れ
成るだけ空気を抜きますが、全部は無理、、、
重しを載せて水に沈め
ゆっくり加熱します。
60℃に到るまで30分位は掛けて。
で、重量約600gでしたので、60℃±0.5℃で40分。
出来上がり
塩、胡椒をして、煙が出る位熱したフライパンで30秒ずつ全面を焼いて出来上がり
焼き上がってから3〜4分待ってから食べて下さいませ。
断面
生?!と、云う声が聞こえて来そうですが、切断面から全く流血がありません。
理屈ですが、前にも書きましたので再掲載。
「プロの火通しが素晴らしいのは経験的手技によって素材の内部温度を60〜65℃にするから。
肉の場合、それ以上の温度に成るとアクチンも変性しますし、コラーゲンが縮んで筋内膜崩壊、、、
だからカスカスに成ったり硬く成ったり、、、
理屈はそうですが、上手な火通しなんて余程トレーニングしないと出来ません。
火の通りが悪いと感染症のリスクもありますし。
新鮮な牛肉、豚肉、羊肉、子牛肉で推奨される最小内部温度は、それをカットまたは消費される前の安全性を確保するために145度F、肉は、少なくとも3分間「放置」しなければならないとされています。
つまり、62.8℃。」
2日目のビフカツも同じ方法で。
62℃±0.5℃で30分加熱した後の状態
塩、胡椒をしてメリケン粉、卵、パン粉を塗し
190℃、1分少々油で揚げました。
油を切って、3〜4分馴染ませます
出来上がり
断面
ビフテキ、ビフカツ共、流石に屠殺して20日の雌牛のヒレ肉でしたので(個体識別番号で全て調べられます)肉そのものがとても美味しく、岩塩を少し付けただけで美味しく頂けました。
朝昼兼用でお雑煮、夕食は肉で御正月の2日は過ぎて行きました、、、