まぁ、余り良い習慣では無いのですが、ある程度読んでいない本のストックがあります。
本屋さんで面白そうだからと手にして、と言っても月に2〜3回の買い出しで、1回辺り数冊買ってきますので、順に読んでもその時の気分で後回しになる本が出てきます。
で、何となく読む気になった時に手にする。
この本もそう云った一冊です。
何となくの印象でジャケ買い。そうしていかないと幅が広がらないので偶にします。
で、読み始めたら、一気に読了、、、
慈しむ男 荒井曜
荒削りですが勢いのある作品でした。
第一回ゴールデン・エレファント賞と云う聞き慣れない賞の受賞作です。
このゴールデン・エレファント賞、日本の枻出版社を中心とし、米国、中国、韓国の世界4カ国の出版社の共催で運営委員会を組織しているそうです。
だから、日本語的文体の表現力等は評価基準から、、、かな、、、
プロット、ストーリー共に中々でした。
勢いもあり、最後まで引っ張ってくれるエンターテーメント性も悪くない。
ただ、本来、もう少し掘り下げれば違う料理の仕方もあったのではないかという題材なのですが、そう云った意味では、多少食い足りなさが残る様な気もします。
それでも結構細かいところまで調べ、ディテールが破綻無く固められている事は認められます。
この辺りは勢いだけでは無し。
心理的な部分の描写がねぇ、、、今一つ届き難いというか、何というか、、、
純文学でもあるまいし、どうでも良いと言えば良いんですけれどね、、、
でも、売れてる大衆小説の作家さんってこの辺りの匙加減が凄く上手い。
もう少し練れれば、、、
その裏返しで、読んでいて非常に映画的な印象が強く、ビジュアル化はし易い小説ではないかと思いました。
そう云った意味で、他国語に翻訳されても損なわれにくい小説なのかも知れません。
うん、映画化すれば結構面白いと思うのですが、真面目に作ったら予算食いそうだし、そんなにこの小説売れてない様な機がするし、、、アニメより実写の方が合いそうだけれど、、、
さて、この作家さん、次回作が出てない様で、どうなるのか、、、
こう云う小説を書き重ねると筆も練れてきて、大化けするかも知れない予感はあるんだけれど、、、、
まぁ、楽しみに待ちますか、、、