ええっと、此の本を本屋さんの書架から選択したのはヨメです。クマではありません。
と、書いとかないと、ゴチャゴチャ五月蠅いので(苦笑)
其れはさておき、さらっとしたタッチのとても読み易い、でも味があって読後感の良い小説です。
サクサク読めて、美味しい小説、それ以上求めるものは無いでしょう。
配達赤ずきん 大崎梢
とある駅に隣接したファッションビルの六階にある、そこそこフロアの広い書店、成風堂、其処が物語のメインステージです。
別段、殺人も大事件も起こりません。
日常の謎解き、でも当事者には事件、そう云った書店を中心に繰り広げられる人間模様がさらっとしたタッチで描かれています。
と、言っても謎解きは本格的なミステリーとして十分楽しめるレベルです。
ややこしい多重構造も無いストレートタイプですが。
それよりも楽しめるのは、キャラクター達。
まるで最近のアニメの様に設定が細かく(多分、相当裏設定ありと視た)、活き活きと物語り空間を動く様は、更にこの小説に生気を与えつつ、読み易いものとしています。
本屋さんが好きで、本屋さんにいるだけで幸福な気分に成る人間には、設定だけでも十分楽しめるのにストーリーも上質と来ればもう、堪りません。
著者は書店勤務を長くして、本作でデビューしたそうです。
女性らしい細やかな視線が行き届いていて、デビュー作にありがちな勢いに任せた荒さ等は微塵もありません。
又、女流作家独特の感性に任せたストーリーの流れもありません。
(実は、クマ、基本的に感性で書かれる女流作家さん、大の苦手です、、、生理的に読めません、、、ああ、完全に感性で統一されてたら大丈夫ですよ、江國香織さんとか、好きですもの。で、無くて論理的に展開している表層の下に論理破綻の感性が隠されている様な、、、例えば、って、これより先は書けません、、、)
いやいや、又、楽しみな作家さんに出会えました。
これだから、本読みは止められませんわ、、、
完全に活字中毒ですが、、、(正確には、マルチメディアに中毒)
本当に楽しめる小説でした。
宜しければ御読み下さいませ。