「鉄の女」として歴史に名を残す、マーガレット・サッチャー元英国首相の伝記映画です。
でも、ドキュメンタリータッチでは無く、よくある偉人伝の様な映画でも無く、女性監督らしい、ある意味恋愛映画の様な作りで、個人的に楽しめました。
綺麗に歴史の断片を切り取りつつ、個の悩みや葛藤、恋愛感情を上手く表現した、結構幅広く楽しめる映画だと思います。
イデオロギーは、この際置いておいて、、、
マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙 2012年 フィリダ・ロイド監督作品
ストーリーそのものは歴史的事実に基づいた上で脚色されていますので、ネタバレを全く気にせず語れるから、凄く楽ですね(^o^)
1950年の下院議員初立候補、落選から、1959年の初当選、ヒース内閣での教育科学相時代、そして1975年保守党党首に成り、1979年英国首相に。そしてあの1982年のフォークランド紛争、人頭税導入でしくじって1990年首相辞職。
ここまでの話が、走馬燈の様に鏤められて物語は進みます。
但し、狂言回しは現在の認知症に冒されたサッチャー元英国首相。
構成が結構上手いんですよね、この映画。
政治的なテーマを上手く交わしつつ、肝心な発言等は省かず、中々政治家を扱った映画でこうはいかないでしょう。
それに、陰日向で支えた夫(デニス・サッチャー氏 2003年に死去されています)との関わり、夫婦の有り様が上手く挿入されていて、ある意味恋愛映画的な側面も持ち合わせています。
それぞれの感覚で楽しむ事が可能な映画に仕上がっていますので、興行的に成功したのは当然かと。
そして、絶対言及しなくてはいけないのは、あの天才女優、主演を勤めたメリル・ストリープさんの演技!
立ち居振る舞い、話し方までそっくり。
これだけでも観る価値は御座います。
本当に演技派女優の名称は伊達では御座いません。
2回目のアカデミー主演女優賞を本作で取ったのも頷けます。
(因みに本作で英国アカデミー賞 主演女優賞受賞とゴールデングローブ主演女優賞 も取ってます)
脇も英国演劇、映画界で名の知れた方ばかりで、どなたも空気感のある演技で、更に映画を面白い物にしています。
サッチャー元英国首相の功罪に関しては色々な意見があるとは思いますが、それを脇に置いても楽しめる映画に仕上げた制作陣に敬意を表したいと思います。
結構楽しめました。