先の「
神童チェリー」に引き続き、此の作家さん、二冊目。
いや、時代が変にシンクロして親近感が、、、
大阪、吹田を舞台にした、どっぷり浪速の人情もん!
但し、タイガースファンで無かったらシンクロ率下がるかも、、、
虎がにじんだ夕暮れ 山田隆道
帯から
「タテジマに願いを、ダルマに祈りを
“笑って泣ける"感涙必至のこれぞナニワ家族小説、ここに誕生!!
1985年、伝説のバックスクリーン3連発。無敵の“猛虎打線"があれば黄金時代到来と思われた阪神タイガース。しかし「タイガース命」の“じいちゃんと僕"の熱狂的な応援も虚しく、翌年以降、チームは低迷。じいちゃんの夢は阪神の胴上げをその目で見ること。でも“ダルマ"のウイスキーとタバコが大好きなじいちゃんの体は……。
虎党の二人が追いつづけるアホな夢。彼らの決断が奇跡を起こす!?」
と、云う小説です。ですので、今回の御紹介は、標準語で無く大阪弁で送りたいと存じます。
読み難いですが御容赦を。
(大阪弁の嫌いな方、済みません、この小説読めませんのでこの記事も無用かと、、、)
あの、奇跡の優勝の1985年は、忘れよ思ても忘れられまへん。
何でか、個人的にクマ卒業の年で、ややこしい試験や何やかんや在んのに、関西出身の虎ファンが集まっては、勝ったぁ!勝ったぁ!と毎晩の様に祝宴、、、挙げ句に津の大門の路地裏にあった中華料理屋さんの大将が、これ又、虎キチで、勝ったら餃子半額(但し夜中、、、)
勝ち方が良かったら麦酒タダ、、、
(ええ人やったんですけど、何年か後に博打で借金こさえて夜逃げしはりました、、、虎キチらしいと言えばらしいんですけど、、、)
で、夏過ぎても強い、、、秋に成りかけても強い、、、
「おい、ホンマに優勝すんのちゃうやろな、、、」
「ホンマや、そんな奇跡が起こったら、、、」
「俺ら、試験落ちるでぇ!」
いえ、奇跡が起こって僕たちも合格しました、、、
アホの金太郎飴ですわ、、、何処を切ってもアホが出る、、、
で、この奇跡の年の後は、、、御存知の通り、、、ドベばっか、、、
弱い弱い、PLより絶対弱い、、、
アホらして、野球見る時間無し、、、まぁ、仕事し始めて滅茶苦茶忙しかったんですけど、、、
そんな阪神の流れが縦糸で、横糸が滅茶苦茶な浪速の虎キチ爺と根性が座ってない孫の人間模様ですわ。他のお父はんやオカン、姉ちゃんも結構個性的で彩りを添えつつ話が転がりよりまんねん。
ただし、メンタリティ、完全に大阪クオリティ、、、
ものごっつう浪速気質の登場人物ばっかり。
吉本新喜劇をもう一寸リアルにした、大阪やったら何処にでも転がってそうな話ですわ。
ほんで、後半は時代も経ってきて色々有って、社会的要素もぱぁ〜っと絡んで、結構悲しいええ話に成るんですけれど、笑かす部分はありまんねん。
この辺りは、完璧に上方文化系の流れですわ。
真面目に悲しむのが恥ずかしいから、照れていちびる、、、いちびんのもしんどいのに、、、
間違い無く関西文化圏で育った人間にはツボの様な話です、これ。
最後の最後に綺麗なオチつくし。
(大阪人、人の話がトロいと、「ほんで、その話、オチは?」って絶対突っ込みます。うちのヨメも「オチ無かったら、話したらアカンの?」って聞いた事在りますが、クマの周り全員が「あかん!」)
阪神ファンは必読!
関西人、関西出身者、おもろおまっせ!読みなはれ!!!