ネットをゴチャゴチャ見ていた時に目について、密林商会で買って読めば、非常に真面目且つ詳細に戦車開発に関して解析、整理した本。
独逸と言っても、独逸第三帝国の戦車では無く、題名通り独逸連邦の戦車、つまり戦後NATOに加入してから開発されたレオパルド1と2に関する開発史、開発時の派生車輌等に関する本です。
非常に理路整然と戦略的見地、戦術的見地から解析されていますので、この手の事に興味のある人間には読み応え抜群。
ドイツ連邦戦車開発小史 名城犬朗
帯より
「ドイツ連邦(西ドイツ~現ドイツ)の戦車といえば、レオパルト1とレオパルト2。いずれも同時代において、西側戦車の中でも堅実な設計・優秀な性能を持ち、かつ標準的な戦車と見なされている。が、その開発に至るまで、ドイツ連邦では奇妙な戦車を多く構想していたのだ!
本書では、レオパルト1からMBT-70(米独の戦車共同開発計画)を経てレオパルト2に至るドイツ戦車の開発を追うが、その過程で計画された数々の計画車両に特に力点を置いて解説する。一見すると珍奇な外観が目を引く計画車両群だが、これは砲塔を備えた戦車の構造上の限界を超える高性能を達成するため。設計思想をよくよく見ると、時代背景に則した理由があるのだ……!
特殊すぎるメリットを追うあまり、結構なデメリットがもたらされ、不採用に終わった計画車両群。本書は歴史の流れに埋もれた、興味深い不採用戦車たちを取り上げる解説書である。ケモノ耳もあるよっ!」
巻末の参考資料だけでも洋書の山、、、挙げ句の独語の本の山、、、
全くふざけた本でも、萌え本でも御座いません。
(まぁ、戦車ヲタはそれなりに萌えるとは思いますが、、、)
書かれているイラストも設計図に基づいて詳細且つ正確です。
この著者さん、非常に絵が上手いです。戦車のフォルムに実体感があります。
(その割りには獣耳の少女のイラストは、、、)
クルマ以上に戦闘車両としての戦車はその重量、運動能力、防御能力、更に攻撃能力のバランスが重要で、その時の政治情勢、軍事状況に左右されます。
その為、開発は様々な可能性を模索しながら進められます。
その背景も含めて色々な開発途中の車輌の一つ一つが描かれています。
どの様に開発されたのか非常に判り易い。
まぁ、同じ様な本で、航空機や船舶、クルマの本でも喜んで読んでいるのですが、、、
(オーディオの本も)
まぁ、興味の無い人には全く面白く無い話でしょうが、もし興味があれば読んでみて下さいませ。
結構面白いですよ。