正直、この小説はテレビドラマ、映画を先に観ました。
その上で読んでも、結構楽しめます。
只、非常にイメージし易い筆の運びだけにドラマのシーンがフラッシュバックして、、、キャラクターなんてドラマの俳優さんそのもの、、、かも、、、
この辺りはどちらを先にするかは難しい所です。
個人的には小説先行の方が好きなんですが、、、
映像化された小説は小説発表順にこの5冊
ストロベリーナイト
「溜め池近くの植え込みから、ビニールシートに包まれた男の惨殺死体が発見された。警視庁捜査一課の警部補・姫川玲子は、これが単独の殺人事件で終わらないことに気づく。捜査で浮上した謎の言葉「ストロベリーナイト」が意味するものは?クセ者揃いの刑事たちとともに悪戦苦闘の末、辿り着いたのは、あまりにも衝撃的な事実だった。人気シリーズ、待望の文庫化始動。」
帯より
ソウルケイジ
「多摩川土手に放置された車両から、血塗れの左手首が発見された!近くの工務店のガレージが血の海になっており、手首は工務店の主人のものと判明。死体なき殺人事件として捜査が開始された。遺体はどこに?なぜ手首だけが残されていたのか?姫川玲子ら捜査一課の刑事たちが捜査を進める中、驚くべき事実が次々と浮かび上がる―。シリーズ第二弾。」
シンメトリー
「百人を超える死者を出した列車事故。原因は、踏切内に進入した飲酒運転の車だった。危険運転致死傷罪はまだなく、運転していた男の刑期はたったの五年。目の前で死んでいった顔見知りの女子高生、失った自分の右腕。元駅員は復讐を心に誓うが…(表題作)。ほか、警視庁捜査一課刑事・姫川玲子の魅力が横溢する七編を収録。警察小説No.1ヒットシリーズ第三弾。」
インビジブルレイン
「姫川班が捜査に加わったチンピラ惨殺事件。暴力団同士の抗争も視野に入れて捜査が進む中、「犯人は柳井健斗」というタレ込みが入る。ところが、上層部から奇妙な指示が下った。捜査線上に柳井の名が浮かんでも、決して追及してはならない、というのだ。隠蔽されようとする真実―。警察組織の壁に玲子はどう立ち向かうのか?シリーズ中もっとも切なく熱い結末。」
感染遊戯
「会社役員刺殺事件を追う姫川玲子に、ガンテツこと勝俣警部補が十五年前の事件を語り始める。刺された会社役員は薬害を蔓延させた元厚生官僚で、その息子もかつて殺害されていたというのだ。さらに、元刑事の倉田と姫川の元部下・葉山が関わった事案も、被害者は官僚ーーー。バラバラに見えた事件が一つに繋がるとき、戦慄の真相が立ち現れる!シリーズ最大の問題作。」
娯楽作品として非常にリズミカルにサクサク読めます。
キャラクターを創るのが本当に上手いです、この作家さん。
だから、読み手も感情移入しながら齟齬無く作品世界に入っていける。
苦も無く、5冊読破でした。
映像化の方もその様な作品ですから、結構原作を損なう事無く上手く纏められてます。
作者さんは主人公、姫川玲子に松嶋菜々子さんを投影して作品を綴ったとの事ですが、竹内結子さんをキャスティングしたのも年齢を考えればぴったりで、脇役の俳優さんも一般的な読み手のイメージを損なう事はないと思います。
(原作を考えますと、菊田和男役の西島秀俊さんは格好良すぎなんですが、、、)
何より、原作通りであるならばR-15でも際どい描写を、テレビ放送可能なレベルに纏めた上で、それ程印象を損なっていない監督の手腕には脱帽です。
完全な警察小説なんですが、荒唐無稽に成る寸止めで、ディテールで現実味を増す事によって、「あるかも、、、」と錯覚させる筆の上手さは賞賛に値します。
ハード過ぎない、でもおちゃらけない、娯楽小説としては本当に上手いバランスだと思います。
映像化に関してほんの少しいちゃもんを付けると、映画版「ストロベリーナイト」(原作はインビジブルレイン)で、犯人が、、、違う、、、
これは、映画を観たときに違和感があって、原作を読んで腑に落ちた部分です。
確かに映画的盛り上がりとしては脚本を否定出来ませんが、、、
もし宜しければ、小説を読んで、レンタルビデオ屋さんで借りてドラマを観てみて下さい。
どちらも楽しめると思います。