読み終わって、久々にこの家族に会えたなぁと云う懐かしさが、、、
年に1冊、刊行されるこのシリーズに書かれているのは東京バンドワゴンの大家族の一年。
一年ずつ季節の移り変わりと共に変わっていく、変わらない家族の物語。
オール・ユー・ニード・イズ・ラブ 小路幸也
帯より
「老舗古書店「東京バンドワゴン」に舞い込む謎を、大家族の堀田家が人情あふれる方法で解決する人気シリーズ。待望の第9弾! 」
「古書店を舞台にした青の出演映画が公開になり、相変わらず賑やかな堀田家。中学3年生になった研人はますます音楽に夢中。なんと「高校に行かずにイギリスへ渡る」と宣言!さて堀田家の面々の反応は…?勇気を持って人生に立ち向かう人々を、「LOVEだねぇ」の心意気であたたかく包み込む、待望の最新作!老舗古書店“東京バンドワゴン”に舞い込む謎を、大家族の堀田家があふれる人情で解決する人気シリーズ、第9弾!」
このシリーズ、
前に御紹介しておりますが、個人的には凄く気に入っているシリーズです。
で、読み終わって記事を書こうとして、、、ネタバレを避けるならば書く事が余り無い、、、
前回書いたのが
「古本屋さんが舞台の人情溢れる、ファミリードラマ、それも極上の。」
「舞台は東京下町。
「東京バンドワゴン」という名前の古本屋さんを営む、堀田家の人々とそれを取り巻く人々の織りなす心温まる物語です。
まぁ、昔の大家族テレビドラマを彷彿とさせるストーリーなんですが、これが飽きさせない。
勿論、どんでん返しや、予測不能のラストを期待して読んじゃあ駄目ですよ。ホームドラマなんですから。そう云うのが好きな方は、、、読まない方が、、、予定調和しか御座いません。
でもねぇ、人情物の予定調和は御約束ですから。
1冊が「春」「夏」「秋」「冬」の4つの章で成り立っています。
(4巻の「マイ・ブルー・ヘブン」を除く)
そして、愛すべき登場人物は歳を取って行きます。
それがこの物語の御約束。
各章ごと事件が起こり(1つとは限りません)色々な事情が入り組み、絡みながら綺麗にオチが着きます。
その過程が、活き活きとした筆で、東京の下町の細やかな描写と共に、人々の心を織り込んで描かれています。
読んでいて、心がささくれる事は決してありません。
何故なら、此処に出て来る人は、ほぼ全員が「良い人」ですから!」
以上です、、、
で、書き加えるとすれば、子供たちも大きくなってきて、可愛いばかりでは無く思春期の葛藤や悩みが物語に加わってきてます。
とは言うものの暖かいホームドラマの常で愛に溢れた家族に包まれて、良い方向に転がっていきます。
この辺りも、非現実的と云えば非現実的。
でもそれがこのお話の本質的な良さだと思います。
更に脇を固める登場人物の過去も本作でも少しずつ語られています。
読み手にとって、物語の人物がリアルな知り合いに近付いていく様な面白さを楽しむ事も出来ます。
この辺りの構成は上手く、読み続ける読み手を飽きさせません。
予定調和を楽しむホームドラマとしてはこの捻りはとても重要です。
それが読み続ける楽しみを生むと思いますので。
このシリーズ、矢張り御勧めです(^o^)