それこそ何度観たか判りません。
劇場公開は1979年12月15日、当然劇場に足を運んでいます。
(当時浪人中で年が明ければ共通一次、、、当然ながら親に黙ってこっそりと、、、)
その後、リリースされたあらゆるフォーマットは持っていましたが、最後に買ったのは2001年版のDVD。
で、今回、完全にリマスターされたと云う事で再購入しましたが、非常に良い仕上がりでしたよ、これ。
ルパン三世 カリオストロの城 1979年 宮崎駿監督作品
東宝から版権を買ったのでしょうか、ジブリシリーズとしてリリースされていますし、「東京ムービー新社」のテロップは入りますが、オープニングの東宝マークは無くなってます、、、
まぁ、大人の事情でしょうか、、、
日本テレビ系列で幾度となく放送されていますので、殆どの方は御覧に成った事があるのではないかと。
それでも改めて観直して頂きたい作品だと思います。
たった100分の尺に込められたこれぞアニメーションと言いたくなる動き、見事な展開、演出やレイアウト、ディテール。
全てが見事に凝縮されています。無駄が無い。
今となっては宮崎駿さんがビッグネームですので、その劇場版映画のデビュー作品として語られますが、元々は乗り気では無い宮崎さんを大塚康生さんが引っ張る形で始まった物であり、大塚康生作画監督と宮崎駿監督のタッグが無ければこの名作は生まれなかったと思います。
そもそも、1968年の東映動画の大金字塔、「太陽の王子 ホルスの大冒険」(高畑勲監督、大塚康生作画監督、森康二原画頭、宮崎駿原画チームの一員)からの関係であり、宮崎さんと高畑さんは大塚さんに誘われてルパン三世第1期の途中から参加。その後日本アニメーションに移籍し、「アルプスの少女ハイジ」を作製。そして、NHK初のアニメーション「未来少年コナン」。そして本作です。
ですから、カリオストロの城でのルパンのスーツは緑色であり愛車はチンクエチェントです。
(スーツが赤で愛車がアルファロメオなのはTV第2期、愛車がメルセデスベンツSSKなのはTV第1期前半、念の為)
このチームの作品は本当にアニメらしく良く動きます。
宮崎駿さんの絵コンテの見事なアングル、展開に大塚康生さんのアニメらしい動きが加わるのですから本当に鬼に金棒。
アニメーションでしか表せない動きの表現では、この作品より後年のジブリ作品の方が本作より見劣りする様に思うのはクマの偏見でしょうか、、、
名場面も挙げればキリが無く、前半のフィアット500とシトロエン2CV、ハンバー・スーパー・スナイプとのカーチェイス。ルパンが城の屋根を走って結局塔に飛びつくシーン。結婚式から時計台崩壊までのバトル。全てが実写やCGでは表現し難い、本当に手書きのアニメーションらしい見事なデフォルメによる表現です。
それが非常に綺麗な画面で見る事が出来るのが本当に嬉しいです。とても丁寧なリマスター作業だと。
勿論、声優さんもオリジナルのメンバーです。矢張り声の印象は強く残りますので、このメンバーの声優さんが声を当てて呉れて居るのはそれだけで嬉しい物です。
で、オリジナルの音声は本作モノーラルなんですが、このブルーレイでは5.1チャンネルにリテイクした音声でも観る事がで来ます。勿論台詞はオリジナルのままで、効果音やBGMのみ5.1チャンネルなのですが、この音声が意外と悪く無い。これも見事なリマスター作業だと思います。
公開当時は興行成績が振るわず、これで暫く宮崎監督もアニメが作れなくなったと云う作品なのですが、当時からヲタの評価は非常に高い作品でした。
(まぁ、それを言うとジブリの初期3作品も興行成績は振るいませんでした)
その後のTV放送で、徐々に視聴率が上がり、それに伴い知名度、評価も上がっていった作品ですので、35年も経って新たにリマスターしたディスクがリリースされるのは本当に感慨深いです。
もし、御好きでしたら買って損はない仕上がりだと思います。