「マル暴シリーズ」を紹介した記事に対して、友人がfacebookで「うーん😔やっぱり今野さんはそっちへ舵を切ったのですね〜〜」とコメント。
でも、本作はしっかり骨太の今野敏さんです。御安心下さい!
全くブレ無い主人公、竜崎伸也、変わらず活躍です。
買って後悔無し。
いや、面白かったです。
去就: 隠蔽捜査6 今野敏
帯より
「竜崎伸也、またもや処分!?」
「ストーカーに激震する大森署と竜崎家。署長として、父親として、勇断の時がーー」
「大森署管内で女性の連れ去り事件、さらに殺人が勃発。ストーカーによる犯行が濃厚になる中、捜査の過程で署長・竜崎は新任の上役と対立する。家庭でも娘にストーカー騒動が発生。予想不能の事態が公私に続発して…」
「不穏な緊張感漂う最新長篇!」
いや、期待通りに面白かったです。
前にも御紹介致しました通り、このシリーズとても気に入っています。
以前のブログより
「基本的に主人公は竜崎伸也警視長。
この主人公のキャラがとても特徴的です。
原理原則に基づき、極めて論理的に考え国(国民)に対して良心に恥じない正しい事を断行する警察官。
と、云う事は上が隠蔽する方向に動いても撥ね付け、、、義理人情で泣き付かれても曲げず、、、誰が言う事でも正しいと思う事は聞き入れ、、、全ては正しく原理原則通りの朴念仁、、、
ある意味、スーパーマンです。
東大卒のキャリア官僚にして頭脳明晰、判断迅速。私利私欲は全く無く仕事は完璧。
その主人公が、理性と論理で難事件を解決していきます。
実際、このシリーズで起こりうる事件は現実的な事件で、密室も無ければ奇妙なトリックも無いのですが、社会的な人間関係や組織関係が絡みに絡むのでとてもややこしい。それを竹を割った様に論理的に片付けていく主人公の姿には爽快感すら覚えます。」
上記、全く変更無しです。
今回も、原理原則に基づき極めて論理的に事件に対応します。
それが組織としての運営上問題に成るのですが、まぁ、気にしない、と、言うより正しい判断は正しいと、、、
なかなかこうは人生行きません。
それをすぱっと竹を割った様に真面目に進む、だからこの主人公は極めて魅力的なのだと思います。
周りもその彼の原理原則に基づき正しい態度に影響され、変化して行ってます。
その辺りは1巻から読むとさり気なく描かれていて、楽しめます。
事件そのものの謎解きも結構上手く描かれていますので楽しめますが、それ以上に人間関係の描写の旨さが物語に見事な彩りをもたらしています。
いや、降格人事で警察署長が警視長ですので、警視庁刑事部長と同格、方面本部長より上、、、階級と職位の捻れが半端ではありません。
なのに、主人公は原理原則を貫く正義の朴念仁。
これで面白く無い訳はありません。
当然命令系統にも齟齬が、、、で、処分?!
此処が本シリーズの要ですよ。
一気読み確約です。
もし読まれるのでしたらシリーズ全作を読んで頂く事を強く御勧め致します。
絶対、後悔はさせません!